顧客とのつながりを強化する、店舗アプリを活用したCRMの推進とは?

今日は、店舗アプリを通じ顧客とのつながりを強化し、定期的に店舗へ来店してくれるお客様をいかに効率的に創出していくか考えるために、アプリを活用したCRMの考え方を紹介していきたいと思います。
店舗アプリにおける、CRMとは?
マーケティング用語としての「CRM」
一般的に、マーケティング用語としてのCRMとはCustomer Relationship Management (カスタマー リレーションシップ マネジメント)の略称で、字面通りに捉えると「顧客との関係構築の管理」という意味になりますが、そのままでは漠然としています。また、マーケティングの様々なシーンで活用される言葉であることから、言葉の定義や範囲の捉え方が人によってまちまちなので、認知内容にかなりバラつきもあります。
そこで、まずは私たちが考える店舗アプリにおけるCRMの定義を明確にしていきたいのですが、この記事で考えるCRMとは、何らかの機能や単一のシステムを指すのではなく、考え方、つまり一つの概念を括る言葉として扱うことを前提としています。
では、店舗アプリにおけるCRMとはどのような概念なのでしょうか。

店舗アプリの「CRM」
マーケティングとして「顧客との関係管理」をうたっている言葉である以上、店舗と顧客の関係(=つながり)を強化していくことを目的に据えていますが、その関係の強化を戦略的且つ効率的に実現し、店舗の利益を最大化するための仕組み全体を私たちはCRMとして定義しています。
さらに具体的に解説していきましょう。
店舗の集客でいうと、1度だけ店舗に来てくれるお客様ではなく、顧客満足度を向上させ店舗に何度も繰り返し足を運んで商品を購入してくれる顧客を増やしていくこと。これがまさに顧客との関係強化にあたります。
その関係強化を通じ、顧客一人当たりから発生する売上の総額(顧客生涯価値)が拡大し、そのような顧客が増えれば増えるほど店舗の売上と利益も拡大していきます。
ただ、単純に売上が増えただけでは不十分で、CRMの視点ではそれらの売上をいかに費用対効果よく効率的に創出することができているかという視点が付加されます。店舗のマーケティングにおける限られたリソース(お金や時間)を、全てのお客様に均等に配分し顧客との関係を強化するのではなく、より強固な関係構築が見込める可能性が高い顧客に優先的にマーケティングのリソース(お金や時間)を配分し、より小さなコストで無駄なく効率的に店舗での売上と利益を拡大していくことが重要です。
このように、ターゲットとする顧客1人当たりの売上総額(顧客生涯価値)を、より無駄なく効率的に向上させていく仕組みこそがCRMであり、店舗アプリを活用しこのCRMを推進することで、単にリピート集客を実現するだけではなく、顧客の満足度向上による売上増とコスト効率の両面から自社の利益に貢献することが可能となります。

店舗アプリによる、CRM推進
実際に店舗アプリでCRMを推進するためには、関係を強化すべきターゲットとなる顧客を判別し、判別した顧客ごとに個別のアプローチするための仕組みが必要です。
より精度を高く求めていくのであれば、顧客ごとの購買履歴から、過去の購買総額や購買回数、購買時期、購買内容等に応じ、店舗独自の視点で顧客を分類し、顧客の重要度によって分類のランク分けを行い、そのランクに応じたアプローチを行っていく手法などが考えられます。
CRM推進の例
例えば、過去の購買総額の観点から店舗のロイヤルカスタマーと判断された顧客には、これまでの売上貢献の一部を還元する形でプレミアム性の高い特典を付与するなど、特別扱いを行うことで更に関係を強化し、一方で、これから優良顧客になりえるポテンシャルがある顧客には、まずはライトな特典を付与しリピート来店のきっかけづくりを行う等、対応の傾斜をかけることで、無駄なく効果的に集客を行い、売上を発生させることが可能です。
購買履歴から顧客の判別を行うには、スマホアプリと顧客管理を行っている基幹システムを連携させる等、必要な開発も大掛かりになってしまいますが、同じような考え方で、アプリ内でライトに実施可能な施策を通じてCRMを推進する方法もあります。
スタンプカードをアプリ内で運用しているのであれば、貯まっているスタンプの数に応じてユーザーを分類し、情報や特典の出し分けを行うことができますし、店舗でのチェックイン等を通じポイントを付与する機能を持ったアプリであれば、取得しているポイントの数に応じユーザーを分類し、ポイント保持数別にアプローチ方法を変えていくことができるでしょう。
必ずしも購買情報が正確にわからなくても、来店に紐づきアプリを積極的に利用してくれている何らかの指標をカウントすることができれば、その指標から顧客の重要度を分類し、アプローチ手法を変えていくことで、CRMを推進していくことも可能です。
まとめ
以上の視点を持ち店舗アプリ通じたCRMを推進していくことで、顧客とのつながりを強化し、定期的に店舗へ来店してくれる顧客を効率よく創っていくことができます。
CRMの視点を持たずに、店舗アプリの運営を続けてしまうと、結局、ホームページのような単純に情報配信を行うメディアになってしまい、自社アプリを運営することによる本質的なメリットを享受できなくなってしまうので注意しましょう。

